WEBサイトを運営していくためには、サイトの状態やユーザーがどのように使っているかを把握する必要があります。
この記事では、アクセス解析ツールを使うことで、わかる指標や、どのような指標を見るべきか、どのようにアクセス解析を進めていくのかについて解説しています。
アクセス解析とは
WEBマーケティングにおいて、WEBサイトのアクセス解析は必要不可欠です。
しかし、言われるままにアクセス解析ツールを導入したものの、何を見れば良いのかわからずに、結局ツールを使用せずに放置、またはなんとなく眺めているだけという企業様も少ないでしょう。
この記事では、なぜアクセス解析をする必要があるのか、そしてアクセス解析で分かることについて解説していきます。後半には、アクセス解析の進め方もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
WEBサイトの現状がわかる
アクセス解析では、1日にどれくらいのユーザーがサイトに訪問しているのか、どのようなぺージが良く見られているのか、月単位、年単位ではどのように変化しているのか。
これらの指標が「可視化」されているので、サイトの現状がわかります。そして、現状を把握することで、目標とのギャップを埋めるための施策を考えることができます。
実施した施策の効果がわかる
アクセス解析では、サイトを定点観測することができます。そのため、目標に向けた改善策の良し悪しを判断することができます。
このように施策の効果測定を行い、評価することで、目標達成に向けて、迷うことなくWEBサイトを運営することができます。
ユーザーの行動がわかる
アクセス解析でわかるのは「数」だけではありません。例えばユーザーがどうやってサイト訪問に至ったのか、その経路を確認することができます。
またサイト内で、どのページからどのページへ移動したのかまでわかります。このような「線」としてユーザー行動を把握することで、媒体やぺージごとに施策を考えることができます。
アクセス解析でわかること
アクセス解析でわかる指標
アクセス解析でわかる指標として、代表的なものは以下の6つがあります。
セッション数
セッション数とは、ユーザーがサイトに訪問した回数です。ユーザーがサイトを訪問したのち離脱した時点で1セッションとしてカウントします。つまりサイトへの「訪問数」がこのセッション数にあたります。
PV数(ページビュー数)
PV数とは、サイト内の特定のぺージが閲覧された回数、つまりぺージが表示された回数を指します。同じユーザーが特定のぺージを3回閲覧した場合は、3PVとしてカウントします。
UU数(ユニークユーザー数)
UU数とは、サイトを訪問したユーザーの数です。ユニークユーザー(Unique User)の頭文字を取って「UU数」と呼ばれます。一定期間内に同じユーザーが何度もサイトを訪問しても計測は1ユーザーとカウントされます。
ぺージ/セッション
ぺージ/セッションとは、PV数をセッション数で割った値になります。1セッションあたり、何ページ閲覧しているのかを意味する指標となります。
例えば、ぺージ/セッションが「1」に近いほど、サイト内を回遊せずに離脱していると考えられます。この場合は、他ページへの導線(内部リンク)を設置するといった改善を行うことで、数値を高めていくことができます。
平均セッション時間・平均滞在時間
平均セッション時間とは、1セッションごとのサイト滞在時間の平均を指します。そして平均滞在時間は1ページごとの滞在時間の平均となります。
平均セッション時間が長ければ、セッションを通してサイト内に長く滞在していることがわかりますし、平均滞在時間が長い場合は、特定のぺージがじっくり読み込まれていると考えられます。
直帰率
直帰率とは、訪問した最初のぺージでユーザーが離脱した割合を指します。つまりサイト内の1ページしか見ずにサイトから出て行ってしまった割合です。
直帰率が高いということは、他のぺージへ回遊していないということになります。ぺージ/セッション同様に、他ページへの導線(内部リンク)を設置することで改善を図ることができます。
WEBサイトへの流入経路がわかる
アクセス解析では、ユーザーがサイト訪問した「経路」がわかります。
例えば、自然検索(検索エンジンの広告枠ではない箇所)からやってきた、リスティング(検索エンジンの広告枠)からやってきた、URLを直接入力した、FacebookやXといったSNSからやってきたなど、流入元がわかります。
また、検索エンジンであれば、どのようなキーワード(検索クエリ)を検索していたのかもわかります。
ユーザーの動きがわかる
流入経路に加えて、ユーザーがどのぺージから閲覧をはじめて、どのぺージでサイトを離脱したのかといった一連の動きを把握することができます。
また、「ヒートマップ」と呼ばれるサイト訪問したユーザーの具体的な行動を可視化したツールもあり、これにより、どのボタンをクリックしているのか、ぺージのどこがじっくり読まれているのかといった、リアルな「動き」がわかります。
リアルタイムの状況がわかる
アクセス解析では、サイトのリアルタイムの状況もわかります。
例えば、ユーザーが閲覧している国や流入元、今現在滞在しているぺージやユーザー数などがわかります。広告を出稿した、キャンペーンを打ち出したなど、新たな施策を行った直後の反響分析に活用できます。
アクセス解析の進め方
ステップ1:サイト全体を理解する
アクセス解析のステップ1は、解析するサイト全体の構造を理解することです。
全部で何ページあるのか、どのようなぺージ動線があり、最終的にユーザーにはどのようなアクション(コンバージョン)を起こして欲しいのか、といった点を理解することで、サイトの問題点を素早く見つけることができます。
例えば、コンバージョン数を改善したいと考えている場合、コンバージョンぺージに至っているユーザーの数は?コンバージョンぺージへの導線は?そもそもサイトへのアクセスは十分あるのか?など、最終的なゴールから逆算することでも全体の構造を理解することができます。
ステップ2:計測タグを設置する
アクセス解析を行うには、各ツールの計測タグをサイトに埋め込む必要があります。そして計測タグを埋め込んでから、計測が正しく行われているかを確認する必要があります。
計測タグがければ、アクセス解析はできませんし、計測タグの設置に不具合があれば、計測ができません。ステップ2では、計測タグが正しく設置されているかをチェックしましょう。
ステップ3:アクセス数やコンバージョン数をチェックする
計測が確認できたら、一定期間おいてサイトのアクセス数やコンバージョン数を確認しましょう。アクセス解析ツールでは、日別、週別、月別などの期間で数値をチェックすることができます。もちろん任意の期間で絞り込みも可能です。
例えば、1か月ごとにアクセス数やコンバージョン数を把握することで、サイトに訪問者数を増やせば、コンバージョン数を増やすことができると考えられますし、コンバージョンが少ないと感じたら、導線やアクセス数を確認してサイトの改善に活かすことができます。
ステップ4:ページ別の数値をチェックする
一般的にサイトの最終ゴールはコンバージョンの獲得になるかと思います。そしてコンバージョンに至るまでには、いくつか通過するぺージやポイントがあるはずです。
これらの数値を確認するために、ページごとの数値をチェックすることが重要です。どのぺージからどのぺージへ移動しているのか、そのぺージにコンバージョンにつながる動線はあるのか。これらをチェックすることで改善を見つけることができます。
ページ遷移には、テキストリンクやボタンでユーザーにアクションを促します。このときのテキストやボタンの色を見直すことも非常に重要です。
ステップ5:改善後の効果測定
アクセス解析は、サイトの最終的なゴールを達成するための「改善点」を見つけるために使います。当然、改善点が分かれば実際に改善に動き出す必要があります。
ここで、改善策に対して効果測定を行うことで、施策の有効/無効を判断することができます。Aという施策は有効だったので、他のぺージにも適用してみようといったように、再現性を生み出すことができます。
逆にBという施策は効果がなかったと判断したら、施策の実施前に戻すことで、またスタートラインに立つことができます。むしろBという施策は効果がないと分かっている時点で大きなアドバンテージです。
このように改善と効果測定を繰り返して、ゴール到達に向かって走っていくための伴走者がアクセス解析なのです。
まとめ
アクセス解析を行う理由は、サイトの改善点の発見です。そして改善と効果測定を繰り返すことで、サイトのパフォーマンスを高めていくことができます。
アクセス解析ツールは、見れる指標が多いため、使うには少し尻込みしてしまうかもしれませんが、本記事で紹介している、6つの指標を押さえ、目標とするゴール数とのギャップを見ましょう。
あとは、そのギャップを埋めるための施策(動線設計やアクセス数の増加など)を実行していくだけです。