書いてあること
- こんな人におすすめ:「SEO対策」を取り組もうか検討している中小企業の経営者やウェブ担当者
- 課題:そもそも「SEO対策」というものがどのようなものか分かっていない。
- 解決策:SEO対策における3つの特徴を理解し、自社の状況に当てはめて取り組むべきかを判断する
はじめに
WEBマーケティングに取り組んでいると必ず聞くのが「SEO(検索エンジン最適化)」という言葉です。
超がつくほど頻出なワードなので、WEBマーケティングに明るくないという方でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そして、世の中にはSEOの専門会社が存在するように、SEOは重要なマーケティング施策であることは間違いありません。
しかし、こと中小企業において最優先で取り組む必要があるか?と問われるとそうでないように思います。
そこで、この記事では、SEO対策を優先すべきではない中小企業の特徴について解説していきます。
時間のない中小企業にSEO対策は必要ない
SEO対策とは、検索エンジンで自分のホームぺージがより多くの人に見つけられるようにするためのマーケティング施策です。
しかし、短期間で成果をあげたいと考えている企業にとっては、最優先で取り組むべき施策ではないと考えます。
というのも、SEO対策は中長期的に成果を出すための施策であり、時間や人的なリソースが限られている中小企業において、直接的な利益につながりにくいと考えられるからです。
SEO対策の効果は時間ががかる
SEOは昨日今日で結果の出るものではありません。ごくまれに短期間でSEO効果を実感できることもありますが、そのような短期間で得られた効果は持続しないものです。
またSEOで結果を出すためには、定期的にホームぺージを更新したり、各コンテンツのキーワードを調査したりする必要があります。
また競合がどのような施策を行っているかといった、社外の状況についてもつぶさに研究する必要があります。
これらの活動には、多くの時間がかかるうえに、専門的な知識を要するためにゼロから取り組もうという企業にとっては難易度の高いのが現状です。
すべては検索エンジンを提供する企業が握っている
とても残酷な話ではありますが、SEO対策は「検索エンジン最適化」であることから、検索エンジンを提供する企業の動向に大きく左右されます。
例えば、昨日までとあるキーワードで自社のホームぺージが1位に掲載されていたのに、翌日には100位以下になってしまった。
なんてことが日常茶飯事におこるのがSEOの世界です。そしてこれらの原因について、具体的な言及がされないため、検討をつけて対策していかなければいけません。
これは、中小企業にとっても、SEOを専門とする会社も同じです。彼らもまた、自社でかかえるお客様のホームぺージが著しく順位を落としたら、慌てて原因を探っています。
そして、運よく原因らしきものを突き止めることができ、運よく順位を戻せればよいのですが、一向に順位が戻らないこともあります。
このようにSEOとは基本的に、暗闇の中で戦い続けるのと一緒です。
順位が上がった下がったを気にするのは、検索エンジンを提供する企業の手のひらで転がされているようなものです。
時間やリソースに限りのある中小企業は、そのようなことに時間を取られている暇はありません。自社の事業について思案する方がよっぽど有意義であると考えます。
お金のない中小企業にSEO対策は必要ない
SEO対策は、無料で行うこともできますが、前章でお伝えした通り「時間」がかかります。
そこで、SEO専門会社に依頼をしようと考える中小企業も少ないでしょう。
しかし、本気でSEO対策に取り組むには、莫大な費用がかかることを知っておかなければいけません。
というのも、特に競合も狙うようなキーワードにおいて上位表示を狙う場合は、ホームぺージの構造そのものや、より多くのコンテンツを制作するなどといった二次的な施策が多数あるからです。
これらを一つ一つ実行していくとなると、それなりの費用がかかります。
また、SEO会社では、順位に応じた課金を行っている会社も少なくありません。
これらは、一定の順位以上の場合に課金が発生するという成果報酬型を採用しているSEO会社において発生します。
特に施策もせず、たまたま上位に表示されているだけなのに、何か月も課金対象になってしまっているケースなどがあります。
果たしてこれらは「対策している」と言えるのでしょうか。「対策した結果」と言えばそうなのかもしれません。
そもそもは検索エンジン側の「鶴の一声」で、大幅な順位下落のリスクがあるため、うまく行っているうちは良いかもしれません。
しかし、一度順位が下落すると、回復するために、「やれ内部対策だ、やれ外部対策だ」と追加の費用が掛かる可能性があることは理解しておかなければなりません。
つまり、検索エンジンで上位表示させるにもお金がかかるし、維持するにもお金がかかるということです。
また検索エンジンで上位に表示されたからといって、直接的な売上につながらないこともしばしばあります。
これらの課題をクリアできるのであれば、SEOに取り組んでいいと思いますが、お金がネックである場合は優先度は低いと考えます。
集客経路が1つもない企業にSEO対策は必要ない
SEO対策は、検索エンジンからの集客経路になります。
しかし、前述のとおり、検索エンジン側の「鶴の一声」により、順位が大幅に下落する可能性も秘めています。
そうなると、集客経路が検索エンジンしかなかった場合、大打撃を受ける可能性があります。
そのため、検索エンジンを集客経路の1つ目としてSEO対策を実施するのはおすすめできません。
複数の集客経路があって、SEO対策に取り組むのであれば良いかもしれませんが、真っ先にSEOから始めるというのは、荒波に飛び込むようなものです。
運よくスタートからうまく行っても、定期的に訪れる「鶴の一声(アルゴリズム変更)」により、再スタートを余儀なくされる可能性があります。
複数の集客経路がある、広告など一定の流入が確保できるという状況で初めてSEO対策に注力すべきです。
さいごに
では、中小企業においてSEO対策がまったく必要がないかと言われるとそういう事ではありません。
検索エンジンで上位に表示されることは、ホームぺージへのアクセス数が増え、製品やサービスの購入や問合せ数に影響を与えます。
この記事では「SEO対策を主目的とする」場合は、優先度が低いとお伝えしています。また、お金がかかる場合について言及しています。
なるべくお金をかけずに、中小企業がSEO対策を行うなら、いわゆる「ロングテール」と呼ばれるキーワードを狙ったコンテンツ作りが重要です。
こちらについては「【中小企業向け】適切なSEOキーワードの選び方:ホームページを見つけてもらう工夫」の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
SEO対策に取り組もうと考えていた企業さまは、「中長期的な目線で取り組めるか」「予算があるか」「複数の集客経路があり安定した集客があるか」を考えて取り組むようにしてください。